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上組グループ 新・中期経営計画の策定について

2020年5月14日

各  位


上組グループ 新・中期経営計画の策定について


 当社グループは、一層の企業価値向上を図るため、2025年3月期を最終年度とする新たな中期経営計画を策定いたしました。


1.旧・中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)の総括

 2020年3月期を最終年度とする旧・中期経営計画では、「事業基盤の強化」「営業力強化」「M&A等を活用した事業の拡大」「継続的な成長戦略」「グローバル・ロジスティクスの強化」「経営基盤の強化」を掲げ、最終業績目標への到達に向け取り組んでまいりました。


(1)事業基盤の強化(=基幹事業の強化)

  港湾運送事業においては、コンテナターミナルの新規開設や設備の充実等により、船会社への訴求力を向上
 させコンテナ取扱いの拡大に繋げました。また、川崎汽船株式会社との共同持株会社設立により、傘下の港湾
 運送企業との技術的・営業的連携を進めております。
  輸出入・倉庫事業においては、各地区への積極的な設備投資により収容能力を強化し、取扱い拡大に向けた
 営業力・提案力の強化を実現しました。また、高付加価値物流センター業務の獲得にも注力し、建設機械メー
 カーのパーツセンター業務を獲得するなど、一定の成果をあげることができました。
  自動車関連物流事業では、近年注力している輸入新車整備事業において事業会社を傘下に収め、大幅な取扱
 増加を実現しました。
  重量エネルギー・鉄鋼関連事業に関しては、原発の再稼働の行方等、エネルギーミックス施策が不透明な
 中、各種パワープラント建設工事および重量物輸送の営業に努め、鉄鋼関連事業におきましてもベースシェア
 を確保することで、堅調な業績を維持しております。

(2)営業力強化(=人材育成、組織改革)

  効率的・効果的な営業体制を構築するため、営業本部ごとの情報共有を強化いたしました。また、人事制度
 改革の一環として人材育成プランの見直しを行いました。

(3)M&A等を活用した事業の拡大

  前述の通り、中期経営計画期間中に港湾運送事業、自動車関連物流事業においてM&Aを実行し、いずれも
 当社の基幹事業の強化および拡大に貢献しておりますが、成約事案数は当初計画した水準に届きませんでし
 た。

(4)継続的な成長戦略

  経営資源の有効活用の一環として、太陽光発電の活用拡大およびグループ全社で特性を活かした幅広い成長
 戦略に取り組みました。

(5)グローバル・ロジスティクスの強化(=海外拠点網の強化、ターミナル・3PL事業への着手)

  海外拠点の開設により拠点網の強化を行いました。また東南アジアを中心に倉庫建設やターミナル運営事業
 への参画を推進し、海外でのターミナル事業・ロジスティクス事業の基盤構築を行いました。

(6)経営基盤の強化(=社会貢献、BCPの確立)

  中期経営計画期間中、種々の社会貢献活動に取り組みました。また、災害BCPの策定を進め有事の際の事業
 継続を確保できる体制を構築しました。

(7)総括

  以上のような取り組みから、基幹事業の着実な成長とともに、海外事業の基盤構築に一定の成果をあげたも
 のの、厳しい経済環境も重なり、目標としている営業収益3,000億円、経常利益300億円は未達となりまし
 た。その原因としては、①基幹事業における新たな貨物・顧客開拓が当初計画の水準に達しなかったこと、②
 新規事業の検討およびM&Aがいずれも低調であったこと、③海外事業の当社グループの業績への貢献に想定
 より時間を要したことが挙げられます。
  上記の結果を踏まえ、企業のビジョンを明確にし、一層の成長路線を構築すべく、基幹事業の強化と、新た
 な成長基盤の創出を目的とした新・中期5か年計画を策定いたしました。



2.新・中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)について

(1)新・中期経営計画の目指すもの

  新たな中期経営計画の重点戦略としては、着実な企業成長に重心を置き、引き続き『基幹事業の強化』およ
 び『海外事業の収益性強化』を推進する一方で、物流事業の枠にとらわれない『新規事業の開拓』についても
 取り組んでまいります。
  また、これらの戦略を強力に推進していくためには、優れた人材の確保が必須となります。本中期経営計画
 期間を通じて、採用の強化・人材育成強化に取り組んでまいります。
  加えて、当社グループが物流企業として永続していくためには、社会との共存性を意識した経営が必要とな
 ります。当社グループは未来の物流企業の在り方を見据え、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営に取り組ん
 でまいります。

(2)業績目標

  2025年3月期の業績目標を以下のように設定いたします。

   営業収益  3,100億円 (2020年3月期比+11.2%)

   営業利益   300億円 (2020年3月期比+21.6%)

   経常利益   310億円 (2020年3月期比+17.4%)

(3)投資計画

  『基幹事業の強化』の実現に向けては、収容能力の拡大や荷役効率の向上のため、設備投資が不可欠となり
 ます。当社は本中期経営計画期間中、物流関連施設を中心に例年と同程度の水準で積極的な投資を実施してま
 いります。

(4)株主還元

  本中期経営計画期間における株主還元は、従来の方針を引継ぎ以下のとおりとし、引き続き総還元の充実と
 資本効率の改善に努めてまいります。

  ① 連結配当性向30%を目安とした株式配当の実施
  ② 継続的な自己株式の取得および消却の実施



3.重点戦略について

(1)基幹事業の強化

 ① 新たな貨物の開拓
  当社の基盤となる貨物(青果物、穀物、飼料原料、エネルギー関連貨物など)に加えて、新たな収益の柱と
 なる貨物を開拓します。例えば、今後の市場成長が見込まれる冷蔵冷凍貨物や、都市部におけるeコマース関
 連貨物など、当社グループの情報網・営業網を駆使し分析・検討してまいります。

 ② 顧客への積極的な物流改革提案
  昨今の物流業界の人手不足の深刻化は、安定的なサプライチェーンの確保を望む荷主にとって、機会損失や
 在庫過多を招きかねない大きなリスク要因でありますが、当社グループは全国的なネットワークを駆使した物
 流プランの提案により、リードタイムの最適化や物流コスト削減、効率的な入出庫管理、ひいては環境負荷の
 軽減など、3PL・4PL事業者としての本分を発揮し、顧客の不安を払拭してまいります。
  当社グループは、物流内製化や共同配送といった物流合理化のニーズを注視し、手軽で低コスト、高速かつ
 快適なサービスを提供することにより、顧客のニーズと信頼を掴みシェア拡大と企業認知度向上に努めます。

 ③ 新エネルギーへの転換における物流展望
  物流分野における環境負荷軽減を視野に入れ、水素やバイオマスなど新エネルギー資源の輸送・保管技術の
 確立や太陽光・風力・水素電池などの物流機器・施設への取り込みを積極的に検討してまいります。

(2)海外事業の収益性強化

  海外においては引き続き、地域ごとの物流需要を精査し、当社グループが国内で実績を有する事業分野に投
 資を進めてまいります。

 ① 物流センター業務への取り組みや、当社グループが出資参画するコンテナターミナルでの荷役作業の受注
   獲得を目指すことで、さらなる収益性の向上を図ります。

 ② 開発途上国におけるインフラ建設案件や、加速する中国からの生産拠点移転をにらんだ重量物輸送・据付
   案件の増加が予測され、それらの取り込みに注力してまいります。

 ③ ASEAN等の熱帯・亜熱帯地域においては温度管理型の物流施設のニーズが増加している中で、これらの
   需要に応えるため当社グループのノウハウを活かすべく事業性を検討してまいります。

 ④ ASEAN経済共同体(AEC)内の越境輸送では、物流センターやトラック輸送の需要が旺盛であり、設備
   投資を前提とした当社グループでの参入余地を検討してまいります。

(3)新規事業の開拓

  物流事業における新規顧客・貨物の開拓を推進するとともに、物流以外の広範な領域においても、柔軟な発
 想をもって収益事業の創出にどん欲に取り組んでまいります。

(4)人材確保・育成強化に向けた取り組み

  国内・海外において重点戦略を推進していくうえで、総合的・大局的な視点を持つ人材の育成が急務となっ
 ています。当社では、旧・中期経営計画期間から人事制度の改革を進め、労働環境の改善や人材育成プランの
 見直しに取り組んでまいりましたが、本中期経営計画期間においては、総合物流企業にふさわしい企画力・提
 案力・実行力を備えた人材の確保・育成のため、採用の強化と教育体制の充実を含めた人事政策のさらなる改
 善に取り組んでまいります。


以 上

お問合せ先:広報部       
TEL:078-271-5110