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TCFD提言に基づく情報開示

TCFD-aligned Disclosure

TCFD提言に基づく情報開示

当社は、地球環境の保全が人類共通の重要な課題であるとの認識のもと、事業活動と環境保全の調和を志向し、環境に配慮した事業活動の実践による環境負荷の低減に努めています。2015年に金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が取りまとめた提言に賛同し、気候変動が金融市場にもたらすリスクを分析・評価し、同提言が推奨する「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の項目に沿った情報開示を2022年度より行っています。2024年度は社外の専門家も交えて見直しを実施しました。

ガバナンス

当社では気候変動にかかる課題を審議・決定する機関として、代表取締役社⻑を委員⻑とする「サステナビリティ委員会」を設置しており、方針や施策について審議・決定を行い取締役会へ報告または付議します。また、当委員会において脱炭素化目標を含む当社マテリアリティの進捗や成果をモニタリングし、改善の必要性などを含めて年2回以上取締役会へ報告するとともに、必要な施策について立案を行います。取締役会は、当委員会による付議/報告を基に気候変動関連の取組みを監督し、必要に応じて指示を行います。なお、サステナビリティ委員会は、社内取締役、執行役員、管理部門各部長他で構成し、事務局をESG推進室が務め、必要に応じて外部有識者などから助言を受けています。実務的には、その下部にサステナビリティ部会とサステナビリティ連絡会を設け、両者が連携しています。

推進体制の相関図

リスク管理

当社グループにおいて、災害リスクや情報リスク、雇用・人事リスクをはじめとする様々なリスクと並び環境リスクについても「リスク管理規定」を定めており、定期的に「コンプライアンス・リスク管理委員会」(以下、委員会)を開催しリスクの管理・改善・強化に努めております。当委員会は、社長を委員長とし、本店部長を委員として構成されております。また、常設部署としてリスクマネジメント部を設置しており、安全や通関、品質を専門とする10名を置き、内3名は委員会の運営事務局を行っております。気候変動を含めたサステナビリティにおけるリスク管理は、「サステナビリティ委員会」がこれを担っています。その一環として、同委員会では、気候変動の進捗や規制の動向などをモニタリングしながら、中長期的な時間軸で、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオ環境下での気候変動に係るリスクと機会を特定、財務影響評価を行っています。特定されたリスクと機会は同委員会において定期的に再評価し、年1回以上取締役会へ報告または付議され、リスクを優先順位付けした上でどのように管理(軽減、移転、受入、制御)するかが決定されます。このようなシナリオ分析を年に一度実施することで、気候変動関連のリスクを定期的に見直しています。なお、取締役会へ報告または付議される気候関連のリスクは、コンプライアンス・リスク管理委員会に対して報告し、全社レベルのリスクと同様に扱うべく準備を進めております。

シナリオ分析

シナリオ分析の前提

当社では、気候変動に係る中長期的な当社事業へのリスクと機会を評価するためにシナリオ分析を実施し、その対応策を検討しています。本年度の分析対象は当社の国内単体とし、2030年度・2050年度において影響が想定されるリスクと機会を特定、その財務影響と対応策を検討しました。前提とするシナリオとして、既存の政策のまま推移する4℃シナリオと、21世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるために脱炭素政策が積極的に進められる1.5℃シナリオを想定しました。

1.5℃シナリオ 4℃シナリオ
想定内容 21世紀末の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるため、脱炭素に向けた制作・規制の導入や技術開発が進展することを想定するシナリオ。 21世紀末の世界平均気温が産業革命前比で4℃に上昇し、台風などの物理的被害が増加するシナリオ。制作・規制、技術開発はそのまま推移すると想定。
参照シナリオ
  • IEA Net Zero Emissions(NZE)
  • IPCC SSP 1-1.9
  • IEA Stated Policies Scenario(STEPS)
  • IPCC SSP 5-8.5シナリオ

※参照シナリオの概要:

IEA NZE…国際エネルギー機関(IEA)が公表している1.5℃相当シナリオ。2050年にネットゼロを達成するシナリオ。

IEA STEPS…国際エネルギー機関(IEA)が公表している4℃相当シナリオ。既存の政策のまま追加的な施策がなく推移するシナリオ。

IPCC …「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」の略称。

IPCC SSP 1-1.9…IPCCによる1.5℃相当シナリオ。2050年頃にCO₂排出量が実質ゼロになり、21世紀末時点の気温上昇が1.5℃に抑えられる。

IPCC SSP 5-8.5…IPCCによる4℃相当シナリオ。CO₂排出量、平均気温ともに上昇し続け、21世紀末にかけて4℃以上気温上昇すると想定。

シナリオ分析の実施プロセス

シナリオ分析として、まず初めに当社のバリューチェーン全体において想定される気候関連の移行リスクと物理リスクおよび機会をリスト化し、その中から特に自社への影響が大きいと考えられる項目を抽出しました。次に、抽出したリスクと機会の各項目に関して、各対象年度の1.5℃・4℃シナリオで想定される外部環境や当社の状況を外部シナリオを参照しながら検討し、財務影響算定のベースとなる算定ロジックおよび算定に必要な社内外のデータを整理しました。収集したデータにて実際に財務影響を算定した後、該当のリスクと機会について「発生可能性」と「影響度」の観点から三段階で評価を行い、当社における重要度の評価を実施※しました。最後に、財務影響算定と重要度評価の結果を受けて、各項目に対する対応策の方針を検討しました。

※重要度評価は、影響度の評価(1~3)と発生可能性の評価(1~3)を掛け合わせ、右記のマトリックス図に基づき、大・中・小の3段階で評価しました。なお影響度は、売上高や費用への影響額が1~5億円の場合は「1」、5~10億円の場合は「2」、10億円以上の場合は「3」と評価しました。

財務影響の分析結果

シナリオ分析にて特定したリスクと機会と財務影響、および対応策は下記の通りです。

分類 想定されるリスクと機会 発現時期※1 財務影響※2※3 重要度評価※4 対応策
中期(2030年) 長期(2050年) 中期(2030年) 長期(2050年)
1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃
移行リスク 政策・規制
  • 炭素税の導入により、燃料や電力の使用(Scope1.2)に伴う操業コストが増加する。
中期 中期 11.2 4.5億 0 0
  • 倉庫証明のLED化
  • フォークリフトの電化(ディーゼルフォークリフトからバッテリーフォークリフトヘのシフト)
  • 定温施設への太陽光発電設備敷設
  • 再生可能エネルギーの導入
  • インターナルカーボンブライシングの導入
  • 削減しきれないCO₂排出量に対して、カーボンクレジットの購入(長期)
  • 代替フロン等の冷媒に関する規制が強化され、ノンフロン冷媒への移行による設備投資額が増加する。
中期・長期 中期・長期 9.5億 5.5億 1.2億 1.6億
  • ノンフロン系冷媒使用機器の技術情報の収集
  • 国内外の規制や技術動向に合わせた機器の計画的更新
物理リスク 急性
  • 台風や大雨・洪水、高潮による自社設備の稼働停止により、営業停止損失額が増加する。
- - 東京地区 :0 -横浜地区 :6.3億名古屋地区:84.5億大阪地区 :42.2億神戸地区 :105.5億福岡地区 :34.0億
  • 港湾設備強化対応働きかけ(港湾管理者あて)
  • 浸水リスク対策
  • ハード・ソフト両面からなるBCPの策定と訓練(浸水時の従業員の配備や支援体制、代替拠点の選定等)
機会 資源の効率性
  • フォークリフト等の荷役機器の電化、照明のLED化、高効率空調設備への転換等によりエネルギー効率が上がり、エネルギー使用量およびエネルギーコストが減少する。
中期 中期 0.6 0.2 0 0 - -
  • 2030年、電動フォークリフトへの完全なシフトに向けた計画の確実な実行
市場
  • 再生可能エネルギーやLNG火力等、従来よりもCO₂排出の少ない電源への移行が進むことで、各発電設備の関連部品の輸送・据付の需要が高まり、売上が増加する。
中期・長期 中期・長期 23.6 23.6 836.7 69.5
  • 洋上風力、蓄電池分野への進出、資本投資
  • 洋上風力、蓄電池分野拡大に向けた事業戦略の作成と実行
  • 新規顧客開拓のための営業戦略の作成と実行

※1「中期」とは2025年~2030年、「長期」とは2031年~2050年を想定。物理リスクは1000年に1回程度発生する想定のため、1回あたりの財務影響を評価。

※2「中期」は2030年度、「長期」は2050年度における単年の影響額を算定。物理リスクは、想定最大規模の高潮の影響から金額を算定。

※3 -:P/Lへの負の影響、+:P/Lへの正の影響

※4 重要度の評価。判断プロセスは上記「シナリオ分析の実施プロセス」参照。

指標と目標

気候変動関連の目標

世界的に脱炭素社会実現への動きが加速する中、日本政府もカーボンニュートラル達成に向けたCO₂削減目標を示しています。当社は、政府目標に合わせ、中期目標として、『2030年度までに、CO₂排出量(国内スコープ1+スコープ2)の2013年度比46%削減』を設定しました。なお、長期(2050年度)目標の設定についても、カーボンニュートラルの実現が地球規模の命題であることを理解し、実効性の観点を踏まえ検討を続けてまいります。また、スコープ3の削減目標は、2024年度に算定を始めたことから、今後検討してまいります。

  • 目標年度 2030年度中 46%削減
  • 目標年度 2050年度中 カーボンニュートラル(検討)
気候変動関連の目標

気候変動関連の実績値

当社のCO₂排出量の実績値は次の通りです。

当社国内事業CO₂排出総量(スコープ1、スコープ2)

スコープ3の内訳(%)の円グラフ
2013年度 2022年度 2023年度 2024年度
Scope1 31,356.45 32,076.58 31,655.96
Scope2 55,138.00 65,076.00 61,452.00
合計 99,120.00 86,494.45 97,152.58 93,107.96

※スコープ1、2はGHGプロトコルに基づき、国内事業活動分を算出

気候変動関連の実績値

スコープ3 CO₂排出量内訳(2024年度)

排出量(t-CO₂e)
カテゴリ1:購入した商品・サービス 680,142.00 カテゴリ9:輸送・配送(下流) 非該当
カテゴリ2:資本財 57,952.00 カテゴリ10:販売した製品の加工 非該当
カテゴリ3:燃料・エネ関連 9,695.00 カテゴリ11:販売した製品の使用 非該当
カテゴリ4:輸送・配送(上流) - カテゴリ12:販売した製品の廃棄 -
カテゴリ5:廃棄物 3,057.00 カテゴリ13:リース資産(下流) 7,140.00
カテゴリ6:出張 607.00 カテゴリ14:フランチャイズ 非該当
カテゴリ7:雇用者の通勤 2,030.00 カテゴリ15:投資 非該当
カテゴリ8:リース資産(上流) 非該当 スコープ3 合計 760,623.00

※排出原単位は下記を用いて算定

環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース【Ver.3.4】

IDEA 【Ver.2.3】

※日本国内事業を対象に算定

GHGプロトコルに基づき算定

算定対象期間は2024年4月から2025年3月

※カテゴリ1は2024年度の支払データベースから26種類の部門購入品目を割り当てて算定

スコープ3の内訳(%)

スコープ3の内訳(%)の円グラフ

※カテゴリ4、12は現時点でデータ収集困難であるため未計算

※カテゴリ8は車両のリースはあるが、燃料はScope1で計上

※カテゴリ9は製品を販売しないため、輸送・配送は発生しない

※カテゴリ10は製品を販売しないため、加工は発生しない

※カテゴリ11は製品を販売しないため、使用時の排出は発生しない